Feb 4, 2008

Movable Typeとオープンソース

MTOSはMovable Typeのオープンソース版であるという「誤解」が流布している。

実際、MovableType.org - Home for the MT Community: Welcome to the Movable Type Open Source Projectを見ると、

The Movable Type Open Source Project is a community effort, led by Six Apart, devoted to creating an open source version of Movable Type, the award winning, ground breaking and revolutionary blogging platform. This open source version (or MTOS for short) will be free for anyone to modify, redistribute and use for any purpose that they choose.
(強調は引用者による強調)

などと書かれており、「MTOSはMovable Typeのオープンソース版である」という字面は間違っていない。だから冒頭では括弧付きで「誤解」と書いたのだが、これは、「Movable Type」という製品を販売する会社であるSix Apart側から見た「オープンソースであるMovable Typeパッケージ」を説明するための表現である。これを「MTOSはオープンソース版だから製品版とは異なる、製品版の劣化版である」と「誤解」するのは曲解と言うものだ。そうではなくて、GPLソフトウェア利用者の観点に立って、この表現の意味するところを分かりやすく言うなら、

  • Movable Type Core(以降、MT Core)は、オープンソースソフトウェアである。
  • MT Coreの著作者は、Six Apartである。
  • MT Coreは、デュアルライセンス(GPLと商用ライセンス)で配布される。
  • MT CoreのGPLでの配布パッケージの名前を「MTOS」と呼ぶ。
  • MT Coreの機能は、概ねMTOSパッケージの内容物で規定される範囲である。
  • MTOSパッケージと、商用ライセンスが適用されるMovable Type製品パッケージは、物理的に異なる配布物である。後者には、addonソフトウェアを含む場合があるため、また商用ライセンスが適用されることを明示するため、である。

というのが正しい。逆に、

  • MTOSは、Movable TypeやMTとは異なるソフトウェアである。
  • MTOSは、Movable Typeのオープンソース版・開発版である。製品版と比較してバグが多く、不安定である。
  • バグが見つかったときに製品版の方がオープンソース版より対策が早くて巧くて確実。

などの言説は正しくない。

MTOSパッケージは、Six ApartのMovable Type製品と同等のMT Core機能を含む。両者は同等だから安定性において差はない。むしろ、addonsソフトウェアに起因する障害を心配する方が理にかなっている。

(現在は両者とも4.1をベースにしているが)両者のリリースが異なるMT Coreをベースに実施される可能性があるではないかという指摘もあるかもしれない。例えば、最新のMTOSパッケージがより新しく実験的な機能を含んだMT Coreを用いて実現されるのに対して、最新のSix Apart製品がより古く安定したMT Coreをベースに開発される、という事態を想定してみればよい。この場合でも、Six Apartが製品化のためにMT Coreへ行った改変は、安定版ブランチへの改変としてコミュニティに公開されるはずである。これをしないと、Six ApartはGPLソフトウェアの同等品ないし派生物への改変内容の公開義務を果たさないことになって、厄介事に巻き込まれる危惧がある。だから公開するはず。したがって、コミュニティは常に製品版に対応する、つまりは同等の、MTOSパッケージを(パッケージング作業自体はボランティアベースで行う必要があるかもしれないが)自由に入手することができる。

そういうわけで、Movable Typeのコア機能はオープンソースである。

追記: このエントリーで伝えたかったのは、オープンソース化によってSix Apartがコミュニティに与えた貢献、これから与えるであろう貢献を過小評価しない方がいいよ、ということ。ユーザも重要なのは言うまでもないんだけど。

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