Mar 25, 2007

Re: Desktop virtualization tools vie for position (@InfoWorld)

Desktop virtualization tools vie for position | InfoWorld | Review | 2007-03-22 | By Randall C. Kennedy

WindowsをホストOSとして利用する仮想化ソフトウェア群の比較をしている記事。InnoTek VirtualBox 1.3、Microsoft Virtual PC 2007、Parallels Workstation for Windows 2.2、VMware Workstation 6.0 Beta 3が比較してある。

デスクトップ仮想化製品の性能比較という、消費者にとって関心が高い話題を取り上げているという点で良記事ではあるのだが、問題点が2つある。一つはVMware Workstation 6.0 Beta 3のベンチマークスコアが掲載されているということ。デバッグコードを含むベンチマークスコアはまったく当てにならないし、他と比較する意味もない。というか、EULAではベンチマーク結果をパブリッシュすることはVMware社のapproveなしに行えないはずなのに、VMwareはこのベンチマーク結果をapproveしたのだろうか。とてもそうは思えない。

もう一つは、Parallels Workstation for Windowsに関して、

Employing a lightweight hypervisor — a feature unique in this market segment — Parallels Workstation boasts impressive performance numbers for virtualized Windows and Linux desktops.

と書いてあること。Parallels Workstationが実現しているのは、VMware WorkstationやMicrosoft Virtual PCと同様にホストOS上で動作するVMMであって、一般的にHypervisorと呼ばれているベアメタル上で動作するVMMではない。

こういう誤解が生じるのには実はParallels社自体に原因がある。Parallels Workstationの製品ページ(Virtual pc, virtual machine and multiple operating system solutions by Parallels, Inc.)に行くと、

The World's First Hypervisor-powered Virtual PC Solution

とか

Parallels Workstation is the first desktop virtualization solution to include a lightweight hypervisor that directly controls some of the host computer's hardware resources.

とか謳い文句が書いてあり、これを文字面どおり解釈すればInfoWorldの記事にあるような誤解が生じても仕方がない(実際にParallelsが成し遂げたのは「VT-x/AMD-Vを使った、ホストOS上で動作するVMMを、世界で始めて製品化した」ということだと思われる)。しかし、Parallelsは巧妙に「Hypervisor-powered」や「include a lightweight hypervisor」という表現を採っていて「(Bare-metal) Hypervisor-based」という表現は避けている。よく読めば嘘はついていないけど明らかに紛らわしい。Parallels社は、意図的に顧客と記者を誤解させることで製品の優位性を主張する一方で、まともに技術が分かる人には胡散臭い会社だと断定されかねない愚を冒している。実際InfoWorldの記者は誤解したし、私は十分胡散臭いと感じている。

このようなつまらない誤解が生じるのなら、もうHypervisorという言葉は使うべきではない、あるいは定義していから使うべきだ。間違いなくテクニカルなドキュメントにおいては。

とか書いていたら、VMwareの中の人が噛み付いていた。

VMTN Blog

あとこれもおんなじ。

笠原一輝のユビキタス情報局

ある意味良記事ではあるのだが、ベータ版でベンチマークをとっている。しかも、記事中でベータ版であることにまったく言及していない(直前の記事で言及しているというのは言い訳にならない)。BIOSでVT-xのOn/Offを切り替えているだけで、VMMがVT-xを使っているかどうかをどのように観測あるいは制御しているのかについて言及していないので、何を測定して比較しているのかまったく分からない。ベンチマークは再現性のある方法で行わなければ意味がない。

こうした結果について仮想化技術に詳しいエンジニアなどに取材したところ、一様に「現在の仮想化ソフトウェアでの新命令セットのサポートは始まったばかりで、最適化が進んでいないのが現状。今後最初から仮想化命令をサポートした仮想化ソフトウェアが登場すれば、性能でも大きな差がでるはず」と指摘している。つまり、今のところ初期段階で、AMD-VなりVT-xを生かすところまでいっていないというのだ。実際、VMware Workstationの結果からもわかるように、優秀な仮想化ソフトウェアはAMD-V/VT-xがなくてもホストOSにかなり近い処理能力を実現しており、ONにすることでそれらとの整合性がうまくとれないということなのかもしれない。
ゲストOSがCPU命令を実行する際のオーバーヘッドを軽減するという仮想化命令のコンセプトを考えれば、ソフトウェア側のサポートが進めばメリットが出てくるのは明らかだが、今の段階ではまだまだ初期段階で、なかなかメリットを見いだしにくい、そういうことだろう。もっとも、こうした例は、新しい命令セットなどが登場したときにはよくあることで、今後ソフトウェア側のサポートがより進めば徐々に解決されていくのではないだろうか。

もう何が言いたいのかさっぱり分からない。よく分からないなら「分からない」と書くべき。確証もない仄めかしを読まされて真に受けてしまう読者への配慮が足りない(そういうものはチラシの裏にでも書いておくべきだ)。また、パブリッシュされているもの、VMTN Blogくらいは読んでほしいね。

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