Nov 7, 2005

Personalized Homeってそんなに良いものなのか?

メタデータの共有という方法に関しては異論を挟むつもりはさらさらないが、いったいWindows LiveGoogle Personalized HomeのようなPersonalized Homeってそんなに具合の良いものなのだろうか。どうにもそうは思えないのでグダグダ書いてみる。

まず、Personalized Homeの有用性に疑問を呈したい。ここでPersonalized Homeと言っているのはユーザーがカスタマイズ可能なポータル、という程度の意味である。

私はブラウザの「ホームページ」をGmailにしているのだが、それはメールというツールを一番頻繁に利用するためという自明の理由に帰する。だからと言って自明な優先度を発見していない、あるいは優先度はさておきとりあえずの操作を欲するより多くユーザーがいることが理解できないわけではない。

そうした多くのユーザーは、ポータルサイトをホームページに指定しているのだろう。そうなのかもしれないのだが、あのコンテンツと広告のミクスチャというか混乱の中から必要な情報を得るには、あるいは次に必要な操作を行うには相当な注意力と習熟が必要ではないか。そう、ちょうどMicrosoft WordやPhotoshopの伝統的なボタンインタフェースから必要な操作を選び出すのが困難なようにだ。なぜニュースの情報を得るのにわざわざ10cm正方領域を注視せねばならないのか、さまざまなファンクションを実現するであろうリンクリストの中から路線検索を「発見」せねばならないのか。こんなインタフェースで実社会の、例えば駅の券売機が実現されていたとしたら、ストレス以外の何物でもない。

Personalized Homeは少なくともこうした問題を部分的には解決する。必要とあらばボタンの数を減らすことができる。しかし、実際にはどのような情報を表示すべきかに対する具体的な指針は示されないため、混乱を避けられるかどうかはユーザーの力量に委ねられる。また、(My Yahoo!などを見れば明らかなように)削除できないコンテンツや広告が表示されることに対してユーザーは抗する手段を持たない。Windows LiveやGoogle Personalized Homeになったからと言って前者の問題は依然残る。また、現状後者の問題はないが、それは単にベータ版だからかもしれないし、両社がたまたまユーザーを強制的に誘導したいというインセンティブを持つコンテンツやサービス(例えば、オンラインバンキングや証券取引)を持たないためだという見方もできる。MSNはショッピングサービスを持っているけどね。Googleの場合は今のところ広告表示を含む検索ページに誘導することが最大の目的だからPersonalized Homeに広告表示する必要はないのかもしれない(Gmailでも表示していない)。

要するにPersonalizedだろうとFully Customizableだろうと、情報を一覧する形態のレイアウトと広告の存在は、決してユーザーにとって快適でない体験しか与えない、というのは言い過ぎとしてもそういう体験をより多く与える可能性があるということだ。

もうひとつは「新しいユーザーエクスペリエンス」としてのpoorさを指摘したい。

ほとんどEmacs以来の感動を与えてくれたGmail、まったく何かの冗談かと思ったGoogle Readerとは異なり、Google Personalized Homeのインタフェースは保守的極まりなく、何の発明もない。マウスによるDrag & Dropでレイアウトを変更できるインタフェースは以前からあるものでAjax以降の産物ではない。だらだら表示されるメニューは出来損ないのFlashコンテンツを今更見せられているようだ。コンテンツをbrand newに保つために非同期にロードされるとかいったギミックもない。この点では、Windows Liveの方が圧倒的に面白い。start.comでの少なからぬエンジニアリングの蓄積があってこそ成し得るものだろう。

しかし、いずれにしろpoorであることに変わりはない。なにせRSSフィードをコーディネイトして表示するだけなのである。これでは従来のカスタマイズ可能なポータルサイトと何ら変わりがない。そう言ってよければ、RSSリーダーやGmailを使えば、もっとユーザーの直感に適合した形でよりリッチな情報を扱えるはずだ。

Windows Liveがメッセンジャーやメールのようなサービスとの統合を行っていることは、従来とは異なるユーザー体験を与えるという点で面白いのだが、例えばGoogleのページにFlickrのアップロード・ブラウズインタフェースが統合されることは、まず望み薄であることには気が付きそうなもの。つまりはポータルにサービスが統合されると言っても、それはRSSのようなメタコンテンツレベルでは進行しても、より高度なサービスへの適用までは波及しないか制限された範囲でしか適用されない。

どう転んでも「要するにポータルね」という感想以上のユーザーエクスペリエンスは得られそうにない。だからpoorだという他ない。

では、Yahoo! 360°はどうなのよということになるが、これはコミュニティツールにメタコンテンツや他のYahoo!のサービスを統合したものである。確かに異なるユーザーエクスペリエンスを与えるし、ポータルとしても機能するが、PCの「当初の目的」とは異なってしまう。辞書を引きたいだけなのにコミュニティからのメッセージを読まなくてはならないとかいった本末転倒も甘受しなくてはならない。それはストレスだ。

グダグダ書いてしまったが、新しいものを期待するがゆえ。

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