Sep 8, 2005

Gmailを本格的に使ってみる

私はMicrosoft Outlookを愛用している(いた)。Outlookではフォルダ単位やメッセージ単位でファイルが作られない(基本的に一個の巨大なスプールファイルを操作する)ので引越しなどが便利な反面、メッセージ群を別スプールファイルに格納しようとすると必ずコピーが生じるし、メッセージを削除してもGCが即座には行われない。また、普段の使用で徐々に容量が増すためディスクの断片化が進行しやすい。が、まあフェアな目で見れば、スケジュールなどを含むオフィスアプリケーションとの包括的な連携が可能であるなど、現代において最も優れたメールクライアントのひとつであることは確かである。

それはそうなのだが、10数年来のメールがたまりにたまって、今私のOutlookのスプールファイルは8つ、総計10GBのディスクを消費するという悲惨な状態になっている。

思えば、石器時代[mailxコマンドなどの打製=だっせー石器を使用する時代]から始まり、青銅器=Emacs時代[mail-mode, vm, gnus, mh-e, mewなど順不同、他に何があった?]を経て、鉄器=Windows=Naive GUI時代[Becky!, Microsoft Outlook他多数]にいたるまで*1、さまざまな方法でメールを送受してきた。それが積もり積もって10GB、なのである。その都度律儀にコンバートし、(java-house-brewersを筆頭として)取るに足りないMLなどは削除している。

*1 これらをまとめて先史時代と呼ぶ。あなたが使っているのがThunderbirdかWanderlustかPostPetかよく知らないが、それらはすべて先史時代の道具である。例えば、はてなの中の人は「メールメッセージやアドレス情報はあまねく固有のURIを持つべきで、それらの上に定義されるオープンなインタフェースが当然必要である」と考えないのだろうか。今でもある意味そういう実装がなされていると言えなくもないのだが、メールアドレスから個人情報を、Message-Idからメッセージ本文をextractすることはできない。だからローカルコピーを作るソリューションが先史時代において一般的なのであり、どこからでもtransparentなアクセスを実現しようとしてもできないのである。ともあれ「フィードで購読 + SMS/ボイスメッセンジャーで記述」あたりが最初に刻まれる歴史となるのではないかと勝手に予想してみる。

Portable PCを買い換えたりするといつも憂鬱になるのは、この、すでに手に余る引っ越し荷物をどうするのかということだ。普段から荷物を減らすことができない人はいざ引っ越し時に荷物を減らそうとしても大抵徒労に終わって、間違いなく10年は開いたことのない段ボール箱を引っ越し先に持ち運ぶ羽目になる。80Gのディスクを買っても(80平米の部屋を借りても)一割以上の場所をあらかじめ占めてしまうにも関わらず。

そろそろこの循環を断ちたい…

と思うのも無理からぬこととご理解いただけるだろう。ということで、今回の引っ越しに際して試行的にGmailに移行してみた。基本的には、普段のすべてのメール送受信をGmailのWebインタフェースだけで済ませ、たまにOutlookを使ってPOP3経由でバックアップをとるだけである。

とりあえず10日ほどこの環境を使ってみた感想としては、ローカルにフレッシュコピーがないと死んでしまうかもと思っていたのだが、それは単に幻想か鉄器時代に植え付けられた脅迫観念に過ぎなかったということである。考えてみれば青銅器を使っていたころまでみんなそれで平気だったのであり、逆に今はローカルコピーの存在に振り回され過ぎている。また、メッセージの保管や検索にローカルリソースを消費せずに済むのは思いのほか愉快である。特に検索はローカルで行うよりははるかに高速で簡便だ。ローカルコピーが手元にあるとついついフォルダ分けして整理しなくてはという脅迫観念が働くが、オンラインだととりあえず検索して見つかればいいやと思うので整理する必要もない。IMAP+Searchでも同じことができるけれども自分のリソースを一切使わないあたりが精神衛生上もよい(数年前Courier-IMAPを使っていたこともあるのだがメッセージが増えると異常にリソースを消費したり不安定になったりしたのでいまいち信頼できなかった)。

今のところメッセージの蓄積速度は、Gmailスプールの最大容量の増大速度をやや上回る程度である。何かの拍子で一日に数10MB受信することもままあるのでとりあえず一年、いや半年この環境を究めてみようと思う。

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