May 22, 2005

De-Lovely / Alexander

Title: De-Lovely
Director: Irwin Winkler
Year: 2004
Place: 三軒茶屋シネマ
Eval: ★☆

Cole Porterの伝記ミュージカル。Porterの超有名曲の数々がNathalie Cole、Elvis Costello、Robbie Williamsなど現代の歌手によって「現代的に」歌い直されており、ただそれだけでも楽しい。ご家族にもお勧めできる(ホモ)映画。とは言え人物や背景の描写が決定的に不足した主観的なドラマになっていて、一応「今際の際の劇中劇の形を採っているから」とその合理性を説明したにしても言い訳にもなっていない。つまりは映画としての評価は低くならざるを得ないが、楽しいからそれでいいじゃないか、ということである。

それにしても邦題は「五線譜のラブレター」。こんな邦題にした時点で例によって東京ではシャンテシネあたりでしか上演されないことは決定である(三茶シネマは二番館なので何でも演るが)。折角良い映画なのに配給側が自ら門戸を狭くしていて勿体無い。


Title: Alexander
Director: Oliver Stone
Year: 2004
Place: 三軒茶屋シネマ
Eval:

ラジー賞6部門ノミネートは伊達じゃないぜ、と納得できた映画。最初から監督がアレだから碌な映画ではないことは承知していたが、それにしても200億も使って流石だよ、Oliver Stone。3時間もバネの飛び出た座席でよく我慢して流石だよ、俺。

鷲のモチーフはアメリカの象徴。アメリカの覇権主義とマケドニアの東方遠征がダブらないわけではないじゃん、反戦テーマでどうよ?という感じで作ってみたが、時機を逸した上にオファーした相手が悪かった(まともな構成能力がなかった、しかもホモ映画にしやがった)というだけのような気がする。

まあ見るべき点もあるよ。タイトルロールは美しいし、どのシーンもまず丁寧に撮ってあるので絢爛たる歴史絵巻であることは間違いないよ。Troy、King Arthurあたりと比較すると予めベースになるドラマがないので作る側も難しいのは確かだ。しかし、あくまで核となる物語を明確に提示してシーンを構成するのが「映画」で、この映画はやはり物語がおおよそ面白くないし、また面白い部分も説明不足で意味が不明確になってしまっている。

いちいち言及するのも面倒なのだが、例えば「エディプス王」と「王女メディア」が引用されている。前者は母性への思慕と父親殺し、後者は夫イアソンの不義を呪う女の子殺しがテーマなのだが、引用の意図がさっぱり分からない(というかドラマの都合のいいところだけつまみ食いしようとしたように思える)。母親オリンピアスに対する感情がほとんど描かれておらず、嫌悪感なのか思慕なのか判然としない。メディアは不義を呪っているのであって本質的に権力を志向している母親と対応しない。また、父親フィリポスが予め殺害されているのだから本来アレキサンダーには克服すべき対象がない。まあそれでも父親の成したことを超えたいと思っても不思議はないが、その手段に東征を選ぶ根拠が希薄でせいぜいアリストテレスの講義のシーンくらいしかない。明らかにプロット不足。ああそうか、むしろ父親の死がアイデンティティの喪失そのものを意味していて、のこのこ「自分探し」にインドくんだりまで出かけて周囲に迷惑をかけた話だと考えると結構しっくり来てしまう。なんだこれ。あとどこかの山越えの時に鷲を見失うシーンは大王としての権威や東征の大義、神々の寵愛(インドにはインドの神様がいるからね)の喪失を表していたわけだろうが、それ以前も以後も爽快感のない戦いぶりや演説は相変わらずで何が失われたのかよく分からない。戦争は悲惨なものというStoneの意図が反映されるとどんな戦争話もこういうヤマもオチもない話になる。

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