Jul 23, 2004

自殺者過去最悪の3万4427人

ZAKZAK

中高年を直撃…自殺者過去最悪の3万4427人

夕刊フジだから…というわけでもないがいい加減な記事が多い。

同じ警察庁がまとめている「平成14年中における自殺の概要資料」のデータをみると自殺者の70%は遺書なしで、この傾向は自殺者数の増減に関わらず比較的安定していると考えるのが自然である。つまり、前掲の新聞記事の数値のうち七割は、直接的にも間接的にも理由を聞けない自殺者から調べたことになる。単純に遺書ありの自殺者の比率から外挿したわけではないようだが、何らかの憶測に基づかざるを得ない。

少なくとも分類結果は、調査が故人の信用情報や通院歴など取得しやすい情報源からの情報に依存し過ぎていることを示唆しているように見える。例えば原因が家族問題の場合、遺族からの聞き取り調査でそれが判明するのはむしろ稀で、戸籍や裁判歴だけによって判断している可能性すらある。

また、通常自殺者の悩みは遺書のあるなしに関わらず複合的であることが容易に想像される(「体の具合も悪いし、仕事もないし、子供もグレるし、妻も家を出て行くし」)。要するに単一の理由に集約・分類する際に何らかの恣意が入り込まない理由はない。

実際、自殺理由の分類によって(労災認定など)利害関係が生じそうな厚生労働省が発表している人口動態調査や、それに基づくと思われる国立保健医療科学院の「自殺研究報告書」には、こうした警察庁のような自殺理由は記載されていないのが通例である。別の言い方をすれば、雇用問題や健康問題は警察庁の管轄外の問題だから、自殺理由を正確に調査して公表するインセンティブも必要性もないのである。

要するに、信用ならない。

ちなみに、前掲の「平成14年中における自殺の概要資料」によれば、遺書ありの自殺者のうち経済生活問題を理由に自殺した者の有職率は62%強ある。無職者のうち大半は老人であることを考えれば、雇用の確保が自殺率の低下に資すると言うのはやや安易に過ぎるというか無理がないだろうか。

About Me

My Photo

つくばで働く研究者

Total Pageviews

Amazon

Copyright 2012 Ogawa::Buzz | Powered by Blogger
Design by Web2feel | Blogger Template by NewBloggerThemes.com