May 22, 2004

経済学は社会学の一種なのか?

経済学は社会科学の一分野と認識しているが、ときどき社会学の一種なのではないかと思えてくるのは、↓のようなセンセーションだけを狙った記事を書く輩がいるからだ。

週刊!木村剛: デフレ論者は何処に消えた?

そもそも「デフレ論者」って何だ?デフレ論というのは聞いたことがない。「良いデフレ」などと口走っていた連中をデフレ論者と呼ぶなら理解できなくもないが、それなら木村自身が「デフレ論者」と呼ばれるべき人物なのだが。

ともあれ私の理解するところでは、構造改革論者と財政出動論者とリフレ論者の三者がいる。構造改革論者の理論的基盤は(私などのような門外漢には)とても理解不能だが、他二者には明快なロジックがある。財政出動論者はマクロ・ミクロを混同した市井の人々には(無駄遣いするなと)評判が悪く、植草タンのようにタイーホされる人が出る始末で一層旗色が悪い。リフレ論者はデフレは貨幣的な現象だからリフレ政策(ゼロ金利で事実上機能不全になっている短期市場金利操作以外の金融政策)を行うことが必要で、財政出動を(してもいいが)しなくてもよいと主張してきた。多分木村剛が言うのは財政出動論者とリフレ論者の二者なんだろう。

だとすると矛盾があって、竹中平蔵や山崎拓は不良債権処理を進めることを主張する以外にも、金融緩和やインフレターゲット導入も主張している(いた)リフレ論者でもある。実際、大規模な円売り介入はその資金を外国為替資金証券発行とその実質日銀引き受け(一部は特例として米国債権の日銀引き受け)によって得ているのだから、リフレ政策以外の何物でもない。この方法で調達した資金を減税や財政出動の原資、あるいは将来の年金の原資にしてしまえばよほど直接的なデフレ対策になるし、またそうしなくとも中長期国債の購入に充ててもよいはずだが、非伝統的な手法ということで忌避されている。まあ米国がクラッシュせずに済むことで期待される需要や輸出企業の業績も内需同様(か現状それ以上に)に重要なので仕方がないとも言える。

だいたい海外商品市況や中国の活況などでたまたまインフレ圧力が高まっているというのが現状で、これは国内の元々の経済状態とは無関係に起きる事象ではないのか(設備投資も輸出・製造関連を中心に活発化しているのであってこれらは外需次第)。なんだ、不良債権処理をしたからデフレが解消しつつあるわけではないと木村剛は自分で書いているのではないか。なんていう矛盾なんだ。

これらの業界の値上げ傾向と不良債権処理との因果関係を証明するのは常識的に考えればほとんど不可能(競合会社が半分になったらどれだけ値上げ圧力が増すのか計量できるか?)だが、それを不良債権処理の効果だとするのは社会学者のいつものやり口に過ぎない。戯言だ。

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