Jan 2, 2002

Gladiator

Title:Gladiator
Director:Ridley Scott
Year:2000
Place:レンタルビデオ
Eval:★

剣闘士ものと言えば、やはりKubrickのSpartacus。「Kubrickの」と言うよりは「Kirk Douglasの」と言うべきだが、あの物量に敵う映画は今日では滅多にお目にかかれない。ともかく、主題に関しても費用面に関しても「スペクタクル巨編」である本作は現代版のSpartacusと言ってよいだろう。Spartacusを意識した場面も散見される。例えば、最初の訓練時にSpartacusは戦おうとしないが、Maximusもまた戦わない。「Spartacus」では急所の位置を色分けして剣奴に覚えさせるが、本作では剣奴の強さを色分けしている。

セットの使い方が巧妙だ。地方のコロシアムを実物大のセットで見せておくことで、後で登場するCGで実現されたローマの大コロシアムも本物らしく荘麗に見える。コロシアム内の音響も素晴らしい。このあたりは現代の映画技術の賜である。戦闘シーンのカメラも面白い。シャッター角度を複数切り替えることでわざと観辛くするとともに、時折体が切られるカットを挿入することで戦闘に臨場感を付与することに成功している。一方、観衆のエキストラはただ座っているだけで演技していない。甚だいただけない。

いただけないと言えば、史実を知っているとこの物語は相当いただけない。単純で紋切型な設定・展開、不合理で興醒めなプロットが多すぎる。Commodusは実際にコロシアムで数え切れないほど戦った連戦連勝の皇帝であり、ナルキッススという剣闘士に風呂場で暗殺された。自ら剣闘に出場するほどに大衆を意識したCommodusがナルシストでなかったとは言わないが、Joaquin Phoenixの外見も相まって、単なるナルシストにしか見えない。結局のところ、男性的な(Ridley Scottお得意の)対決劇においては最重要と思われるKatharsisを、本作では不足させてしまっている避けがたい原因はこの敵役の性格付けの中途半端さに他ならない。少しは史実に従ってCommodusに自意識過剰であり戦闘的でもある複雑な人格を与えていれば、このような事態は避けられたに違いないが。

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