Nov 18, 1999

キーボード

私のキーボードへの思い入れというのは、ほんの一時期見かけた金属バネとゴムバネのハイブリッドモデル(富士通製Sun Workstationに付属していた)への思慕の念をいまだに捨て切れない、という程度のものである。もちろん、BIT 1995年11月号に記事を書いてしまったり、VT100端末やType 3キーボードを蒐集してしまったりというほどのパッションは持ち合わせていない。学生時分は文句を言いつつもType 5キーボードを使えていたし、現在愛用しているのは、富士通製の安物パソコンに付属していた、これまた安物ゴムバネキーボードに過ぎないのだから…。しかし、実のところ、このキーボードはそんなに捨てたものではない。

ゴムバネキーボードに習熟しているユーザの指は、キーストローク初期のわずかなクリック感だけで押下と見倣してよいことをすでに覚えている。従って、薄型ノートPCや2mmを切るストローク長のOASYS Pocket IIIのキーボードですら、順応しさえすれば快適に打鍵できる。むしろ、これらのキーボードでは建てつけや表面加工が快適性を支配していると言っても過言ではない。

ところで、である。「強いクリック感」というのはクリックポイントでの強い反力とポイント後の弱い反力との差によって認識されるのだから、キー入力の初期により強い押下力を要するということでもある。しかし、どうも昨今の「訳知りユーザ」は無駄に強いクリック感を求めるようであり、私にとっては理解に苦しむところだ。というのは、クリック感が弱い方が同等の力でも高速な打鍵を可能にするはずであり、また、クリックポイント後の反力の落ち込みが小さいということはその後の押下力特性のリニアリティに優れるはず、あるいはその余地があるからである。まあ、物事はほどほどがよいのだが…。

さて、私のキーボードは安い。ゆえにクリック感も適度に小さい。使い古してますます小さくなったくらいだ。また、安いがゆえにカチャカチャと煩い。が、作業効率が今更そんなことに影響されるとも思えない。要するに悪くはないキーボードだ。

なぜこんな話を書いているのかというと、林くんがHappy Hayashi KeyboardならぬHappy Hacking Keyboard Liteを買ってきて、ちょっとだけ血が騒いだからだ。カチャカチャ音のないあたりが部品の高品質さを物語っている。しかし、HHKのオリジナル版と比較するとキータッチが明白なクリック指向に変わっており、私にとってはこれと言った特徴のない凡庸なキーボードの一つに過ぎない。オリジナル版が「良い」というわけでは決してない。しかし、キータッチに「特徴」がある。もちろん、どちらも60キーしかないショートキーボードという事実は称賛に値する。ALT+F4と押したいときに少し悩むが。

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