Feb 13, 1999

ケイゾクの話。

元来目を惹く配役もないために視聴率的には落第点を付けざるを得ないこのドラマは1話完結の女コロンボ話であり、被害者・加害者を演じるのは小豪華ゲスト(元々ぱっとしないレギュラー陣より目立ち過ぎてはならないため、泉谷しげると宮崎淑子が出た第6話は「中」豪華と言えるくらいの「小」豪華)。

もちろん、犯人当てもトリックも比類なく、イージーかつチープ。実際、中谷美紀扮する柴田純刑事の決まり文句の「犯人、わかっちゃんったですけど」も視聴者を明晰な推理に驚かせるためにあるのではなく、お約束を確認させるためにあるのだ。

継続捜査扱いになってから物語が進行するゆえに犯行の動機付けが手薄であり、正味40分のドラマなので犯人の葛藤や狼狽などの通常当然期待されるべき心理描写に十分時間が割けない。しかし、刑事コロンボを含めたこの種のドラマでは、主人公の変人ぶりの描写の重視を常としており、(2時間を費してなお)不条理で御都合主義的な展開をしばしば選択してきた事実を、改めて指摘しても致し方ないだろう。

中谷美紀の不運は脚本に恵まれないことであり、逆に好運は演出に恵まれることである。本作もまた然り。TVドラマにしてはエキセントリックな映像が楽しめ、中谷の魅力ばかりが引き出されており、安直な物語も演出の一部とさえ思える。特に押井守のアニメーションにインスパイアされたと思われるオープニングは傑出した出来であり、しかも毎回物語に合わせて変更されているのは注目に値する。オープニングの主題歌は中谷自身が歌っているが、これがまるでMIDIレーベル時代の大貫妙子を髣髴とさせ、個人的にはポイントが高い。他に、唐突に時事ねたを口走る狂人が包丁と生魚を手に携えて毎回登場する。彼は本当に無意味な道化として存在しているのだが、こうした無意味なディテイルが面白い。

1999-03-19追記:

最終回。…完全に投げてる。一話で謎解きとドラマを両立させるのをあっさり諦めて物語上の飛躍を観客に押し付け、余った時間をパロディに充てている。そうそう、もともとパロディだったんだよね。ガイナックスのアニメじゃないんだから…。とはいえ、近年稀に見るバカ、かつシャレたドラマだった。特に最後の映画版の予告。作るつもりなんか全然ないんだろう、間違いなく。

About Me

My Photo

つくばで働く研究者

Total Pageviews

Amazon

Copyright 2012 Ogawa::Buzz | Powered by Blogger
Design by Web2feel | Blogger Template by NewBloggerThemes.com